厭な小説
みるからに古めかしい古書のような装丁。見た目は不気味だし、紙質もざらついてるし、紙の色もなんだかもう・・・。
よく、気づかないうちに本に虫の死骸が挟まっていることがあるけれど、この本はあえてところどころにその虫の死骸を印刷してあります。
読者を徹底的に厭な気分にさせる演出もバッチリです。
450ページほどもあるし、こう厭な条件がそろうと、途中で読むのがいやになっちゃうはず。
なのに不思議なことに「読みやすい」。
このついついページを進めさせるリズム感の良さはなにっ!?
どのお話のはじまりも特におかしなことはなく、いたって現実的。
でも、次第にその現実感がねじれてきてあっという間に不可解と不条理の世界に落ちていく。