どすこい。

54736765.jpg

地響きがする―と思って戴きたい…相撲取りの討ち入りを描く「四十七人の力士」、肥満ミトコンドリアが暴れる「パラサイト・デブ」などなど数々の名作を下敷きに、パロディの極北を目指したお笑い連作巨編がついに文庫化。
「そんな馬鹿な…」と思うような内容(ほとんどが力士が出てくる話です)が多いですが、その非現実的なところが面白いです。

これは京極氏の小説?!と疑ってしまうくらい、崩れて(良い意味で)います。
気にいりました。最高です。

厭な小説

4373.jpg

みるからに古めかしい古書のような装丁。見た目は不気味だし、紙質もざらついてるし、紙の色もなんだかもう・・・。
よく、気づかないうちに本に虫の死骸が挟まっていることがあるけれど、この本はあえてところどころにその虫の死骸を印刷してあります。
読者を徹底的に厭な気分にさせる演出もバッチリです。

450ページほどもあるし、こう厭な条件がそろうと、途中で読むのがいやになっちゃうはず。
なのに不思議なことに「読みやすい」。
このついついページを進めさせるリズム感の良さはなにっ!?
どのお話のはじまりも特におかしなことはなく、いたって現実的。
でも、次第にその現実感がねじれてきてあっという間に不可解と不条理の世界に落ちていく。

嗤う伊右衛門

22.jpg

四谷怪談がベースになってはいるものの、これは上質な恋愛小説です。
自分の気持ちだけに正直に「好き!」で良かった若者の恋とは違い、
様々なしがらみや、社会的立場、自我や誇り。
そんなものが入り混じり、すれ違い、最終的には悲劇を招いてしまう
伊右衛門とお岩の不器用で切なく、美しくて哀しい、
そんな二人の恋愛小説。

百鬼夜行―陰

6.jpg

最初の「姑獲鳥の夏」以来発刊順に読んでいかなければ作品理解に不具合を生じるという難儀な特徴がある。本書も過去6作の登場人物が織りなすサイド・ストーリーであることから、いきなりここから読み始めることは止した方がよいかと。
やたら漢字が使われてます。

百器徒然袋―雨

A240_.jpg

あの京極堂シリーズの探偵、人の過去が見える目(でもあまり役にたっていない?)をもつ、榎木津礼二郎が主役の物語。
それにしても、あの榎木津が主役だから…と想像はしていましたが、ここまで崩れるとは思いませんでした。
同じ主人公でも、視点が変わればこうも違うものなのですね。

私は両方好きですが。

普段の妖怪シリーズとは違った、どちらかというと笑い寄りのお話です。